本の魅力とは、昔から様々ですね。
僕が一番指示しているのは、『不思議の国のアリス』の中に出てくるアリスの言葉です。「挿絵の無い本なんて、いったい何の役に立つの?」というこのコンセプトですね。
 本というものは、文章のコンセプトや思想等を学ぶということも重要ですが、本自身は、一種の総合表現メディアだったのです。
 デザインも必要ですし、その中に絵というものがとても重要な要素を持っています。絵は情報であり、非常に大きな魅力です。それをさらに倍加させるのが挿絵画家達やデザイナー達が作った総合的な書物美術というものでした。それを通称挿絵本といいます。

 各国で作られた挿絵本は、それぞれの国のメディアや美術に対する意識が大変違っていて、これを比べたり日本の感覚で眺めたりすると、とても面白いです。このようにして書物を集めて、それを楽しむことが、印刷された書物の喜びを味わう基本的な方法ではないかと思いました。
 触って頁を開いて、そして挿絵に眺め入る・・・こうした楽しみをもたらしてくれる有名な挿絵本を集めたのが、荒俣コレクションです。